との事。



玄関入ってすぐに
グランドピアノが置けそうなくらいのスペース

ここに
他では見たことがないような
水槽をひとつお願いします！
と。


 

なるほど。面白そうです。

そこからお客様と私とで
あーしたらこーしたらと
アイデアが出てきます。

ただ私の頭もずいぶん凝り固まっていますので
帰社後は若いスタッフ2名からもアイデアをつのり…


４パターン（キューブ・球体・階段・テラリウム）のプランを持参し
あらめてご訪問したところ…


「あのさ、向佐さん。ここからも見られる水槽がいいなぁ」と
おっしゃるお客様。

こうなると私のパソコンのフォルダーも
水槽やキャビネットの見積もり依頼ファイル、
プランニングファイルなどで
こんな状態に。



1週間ほどいただき
各仕入れメーカーからの見積もりが出そろったところで
改めてプレゼン。



すると
「向佐さん頼むよ。どこにもない水槽よろしく！」と
超グレートな仕様をご希望されました。

特注水槽はいままでも実績はありますが
今回は初めてのトライに数多く挑みます。
お客様のご理解あってのありがたい事です。

作製するのは幅150ｃｍ×奥行150ｃｍ×高さ35ｃｍ
完全オープン海水魚アクアリウムです。
 

90ｃｍの一般的なアクリル水槽で
使うアクリルの厚みは5〜6mmですから相当な厚みです。

水槽だけで重さなんと160キロの大物です







さてお客様からのOKが出ましたので
各メーカーへ発注作業に入ります。

今回の水槽はもちろんろ過能力の高いオーバーフローシステム。

サイズはもちろん、配管の位置をミリ単位で指示します。
キャビネット内の柱と干渉しないよう
オフセットサイズも考慮しながら…

このような図面を作成しオーダーします。

ここを間違えると
水槽は置けたけど配管が繋がらないという
取返しの付かないことになりますので細心の注意を払います。






そして今回の水槽を置くにあたって
床の補強工事は必須でした。

水量1トンの他に、キャビネットや砂、ろ剤や機器類を
すべて含めると
重量はおよそ2トン弱なんです。



ということで床下施工前がこちら↓

給排水も追加していただいたので
床下に伸びるグレーの配管は
①排水50A
②給水13A
③室外クーラー送水20A
④室外クーラー戻り20A
の合計4本です。



続いては水槽台（キャビネット）の構造作成。

 

アルミといえど加重を支える構造体なので重たい。

ということでキャビネットの構造が完成です。

 

現場で切ったり貼ったり…

そして本格的な家具調特注キャビネットが完成しました。

既存建具と同色木目のメラミン仕上げなので
統一感&重厚感ばっちり。

ここもオーナーさまの強いこだわりでした。










さていよいよ水槽搬入日。

お客様と初めてお会いしてからここまで、
3ヵ月ほど経っていますね。
 

これも先輩スタッフが作成します。
共有することで効率よく動けますから。

水槽は重いうえに掴むところがありません。

この吸盤取っ手が微調整に役立ちます。
※輸送での使用はダメですよ。








さぁいよいよ水槽の到着です。

上部分がガ〜ラガラ。
贅沢な使い方ですが、水槽輸送に混載は厳禁！

なにせ繊細な一品ものですから。




当社から3名、職人さん2名にオーナーさまにも
お手伝いいただき合計6名にて搬入！

オーバーフローの配管作業に
決まりはありません。

水道用の塩ビパイプを流用するため
​業者ごとの個性がでますね。


よくパイプだけでびっちりくみ上げたシステムを見かけます。

とてもシステムチックでかっこいいのですが…


途中にホースなどをかまして
遊び部分を残しておくことが大事！

地震の際に上側の水槽と下側の濾過槽が
違った動きをしても
パイプの破損を防げるからです。

 

ん〜、水をはっただけでも
キレイですね。


朝8時から開始した作業も
ライブロックを入れ水が満水になる頃は
すでに夕方になってしまいました。

お子さんもニモやヤドカリのスタンバイ状態に
興味深々

通常、水槽は前面から鑑賞するのが一般的ですが
ふたもフランジもないこの水槽は
2階から見下ろすと
まさにそこに海があるかのよう。


視界を遮らないような
このライトアームには苦心しましたが
最高の出来です。

お客様の希望でサンゴも加わり